謎の群衆

田舎の小都会。
私が住むのは、そんな所だ。
全く人通りがない…わけでもない。
百貨店はないが、大型スーパーはある。
アウトレットだとかショッピングモールと呼ぶほどではないが、小洒落た店が店子になっている建物はある。

そんなわが町に、数年前から、予告なく、なのにワッと湧くように人が集まる時がある。
わが町とは思えぬ賑わい…。にぎわい? いや、何かが違う。声を発する人がほとんどいない。顔を合わせる人もいない。それぞれが他人同士。そんな感じの人々が、粛々とスマホのバックライトに顔を照らされている。
決まって、大型スーパーか、ショッピングモールの小型版の正面玄関前付近。

なんだろう。不思議な一団。

行列はしない。
人々の向きは思い思い。
付かず離れずの絶妙な距離。
服装も年齢も様々。
男女も半々か。
時々静かに声を交わす者はいるが、なぜか、和やかでも距離感を感じる。しかも概ね黙っている。
ただし、共通点はスマホの画面に釘付け。

おや?
あの人差し指で画面を擦る独特の動きは!?

ポケモンGO

侮れない。